「遺品整理の仕事って、どんな想いでやってるんですか?」
ある日、知人にこう聞かれました。
正直に言うと、最初は“ちゃんと稼げるビジネス”として始めようとしていました。
でも、調べたり学んだりするうちに、ふと気づいたんです。遺品整理って、ただの片づけや不用品回収とはまったく違う。モノの背景には、その人の人生があり、ご遺族の“想い”がそこに重なっている。
これは「心に触れる仕事」なんだな、って。
まだ経験は浅いし、現場も少ないけれど、この仕事に惹かれた理由や、「こうありたい」と思う気持ちは、確かに自分の中にあります。
たとえば──
- 大切な人を亡くされた方の、気持ちに寄り添うということ
- モノに宿る“思い出”や“人生の記録”を大切に扱うこと
- 「ありがとう」と言っていただける喜びを、自分の原動力にすること
そんな考えや気づきが、今の自分の土台になっています。
最初は「稼げるかも」から始まった

正直に言うと、遺品整理の世界に興味を持ったきっかけは、「ビジネスとして成り立ちそうだ」と思ったからでした。
話すことが好きで、物販の経験もある。需要もあって、やり方次第で勝負できそう。そんな目線で、業界を見ていたんです。
当時の自分は、正直ちょっと冷めていた気もします。
- どう効率よく作業したらよいか?!
- どうやって売上を伸ばせるか?!
- どうやってリピートや紹介に繋げるか?!
頭の中は、ほとんど“手段”や“数字”のことでいっぱいでした。遺品整理=片づけの仕事くらいにしか思っていなかったと思います。
でも、遺品整理の仕事を体験していくうちに、少しずつ見えてきたんです。この仕事の本質は、「人の想い」と向き合うことだって!!
遺品整理会社の想いにふれ、「どう在りたいか」を考えた

色んな会社の事例や取り組みを知る中で、ただモノを捨てるだけではない“遺品整理の本質”に触れました。
中には、お客様の気持ちに寄り添いながら、丁寧に、誠実に、信頼を積み重ねている会社がある。
中には、いかに早く作業をこなすか、効率の良い運び方や整理の仕方ばかりを考えている会社。
その姿に触れたとき、私は思ったんです。「自分がやるなら、こういう在り方でやりたい」と。
- ご遺族の気持ちを置き去りにしない
- 不安や疑問にちゃんと向き合い、信頼してもらう
- 作業のあとに「ありがとう」と言っていただけるような関係を築く
商売として成り立たせることももちろん大切。でも、「心の通う仕事」じゃなければ意味がない。
そう思うようになって、初めて、この仕事を“志す”気持ちが芽生えました。
「ありがとう」の重みを知ったとき、考え方が変わった

経験はまだ少ないけれど、お客様の声に触れるたびに、自分の中の何かが変わっていくのを感じます。
たった一言の「ありがとう」でも、それがすごく心に響いて、気が引き締まるんです。
この一言の重さに気づいてから、考え方がガラッと変わりました。
- ただ作業するだけじゃダメだということ
- 目の前のお客様の気持ち、ご遺族の気持ちをちゃんと理解し受け取らないということ
- お客様の「大切」を、大切にできる存在でいること
それは数字には表れないけど、この仕事をするうえで、いちばん大事なことなんじゃないかと思っています。
「開業当初」だからこそ、できることもある

正直、僕はまだまだ未熟です。業界歴も浅く、知らないこともたくさんある。
でも、だからこそ気づけることや、できることがあると信じています。
- 1件1件を、まっさらな気持ちで丁寧に向き合うこと
- マニュアルより「人の気持ち」を大切にすること
- 信頼していただけるように1つ1つ誠実に丁寧な作業をすること
ベテランではないけれど、一つひとつの経験から真剣に学び、誰よりも誠実に動く。
そんな姿勢だけは、ずっと忘れずにいたいと思っています。
この仕事を、誇りに思えるようになった

遺品整理という仕事は、派手ではありません。むしろ、人によっては「重たい仕事」と思われるかもしれません。でも僕は、今この仕事に誇りを持っています。
- 人の人生に、静かに寄り添える仕事
- 「ありがとう」に込められた気持ちを、毎回受け取れる仕事
- 目立たなくても、誰かの人生を支える仕事
こういう仕事に出会えたこと自体が、自分にとっては財産です。
「仕事って、こういうことなんだな」
そう思わせてくれたのは、この遺品整理という仕事でした。
まとめ|これからも、想いに向き合い続けたい
もし誰かに「どうして遺品整理をやってるの?」と聞かれたら、今はこう答えたいと思っています。
「心が動いたからです」
最初の動機は、決して立派なものじゃなかった。でも、学び、考え、出会いを重ねるなかで、この仕事が自分にとっての“使命”のように感じられるようになりました。
まだまだ、道の途中です。
でも、初心を忘れず、一つ一つのご縁を大切に、これからも「温かい遺品整理屋さん」でいられるように進んでいきたいと思います。